杉原浩二郎
(更新)
「毎日英語を聴いているのに上手くならない・・・」
「何回聴いても聴き取れるようにならない・・・」
このような悩みをお持ちではありませんか?
実は、このような悩みに非常に効果的なリスニングの勉強法があります。それが「ディクテーション」。
なんと!
ディクテーションは、リスニング力だけでなく、語彙力、リーディング力、そして発音までをも鍛えることができる、一石四鳥の効果がある勉強法なのです。
今回は、ディクテーションの具体的な実践方法とその際の注意点をお伝えしていきたいと思います。
ディクテーションの説明に入る前に、大前提としてお伝えしなければいけないことがあります。
それは、リスニングの勉強をするときには「集中して聴くこと」が不可欠である、ということ。
言い換えると、聞き流すよりは、集中して聞いた方が確実に効果があるということです。聞き流しとは例えば、掃除をしながら英語を聞いたり、電車でスマホをいじりながら聞いたりすることを指します。
私自身も昔、1日2〜3時間、多い時に5時間の英語ラジオの聞き流しを1ヶ月続けましたが、全く上達しませんでした。
こういった聞き流しの危険なところは、「上達しているように感じてしまう」ところです。
実際はあまり効果がなく、時間を浪費してしまいます。1時間聞き流しをするのであれば、10分集中して聴いた方が間違いなく効果は高いです。
ただ、集中して聴こうと思っても、集中して聴くことは意外に難しいもの。
あなたもリスニング中、ついつい別のことを考えてしまった、なんて経験ありませんか?
特に普段からリスニングをしていない人にとって、英語を集中して聴くことは苦痛以外の何物でもないです。
そこでぜひ試して頂きたいのが、ディクテーション。
ディクテーションとは、音声を途中で止めながら英語の文章を書き取っていくことです。当然ですが集中していないと書き取ることはできません。
つまり、ディクテーションをやる理由の1つは、集中して聴かざるをえない環境を無理やり作り出すことだと言えます。
その結果として、集中していない場合と比べて、圧倒的に学習効果を高めることができるのです。
それでは、ディクテーションの具体的な方法を見ていきましょう。
私がオススメしているのは、以下のプロセスです。
①音声を繰り返し聴く(全体のストーリーを掴む)
②1文ずつ止めながら書き取る
③答え合わせ
④音読(余裕があれば)
通常のディクテーションとは少しやり方が違うので、それぞれの項目を細かく解説していきたいと思います。
まずは、何度か全体の音声を聴いていき、ストーリーを掴みます。そこから細かい部分を聴き取っていく、というのがディクテーションの流れです。
音声は大体1分ぐらいのものをオススメしています。それ以上長いと集中することが難しくなり、途中で挫折しやすくなってしまうからです。
また、どんな音声を聴けばいいかということですが、英語の文章を見た時に7〜8割以上理解できるものがベスト。
それ以下しか理解できないものだと少しレベルが高すぎるので、挫折しやすくなってしまいます。
また、自分が興味のあるもの、自分に関係があるもの(仕事など)を選ぶことも継続する上で重要になってきます。
以下にディクテーションに使える無料で質の高いアプリとウェブサイト3つを紹介します。ぜひ活用してみてください。
世界中のニュースが聴けるウェブサイト。最大の特徴は何と言っても "Levels" という名前が示す通り、3段階のレベルの音声が聴けることです。(使われているボキャブラリーでレベルが分かれています。速度は全て同じです。)
よって、初級者~上級者まで幅広い方が対象となっています。ただ、速度はネイティブスピーカーのスピードに比べると少し遅いのが気になるところです。
無料で聴くことができます。
ビジネスから日常まで、様々なシーンの英語音声を聞くことができるアプリで、中身やスピードも実際のTOEICのテストとかなり近い内容となっています。
さらに、英語のスクリプト(実際に話された内容)、クイズ、日本語訳、重要単語の解説など幅広いコンテンツを使って学習できるのも嬉しいポイント。
TOEICを受験するしないに関わらず、かなり実践的な英語が学べるので、特にビジネスで英語を使いたい人にオススメの内容です。
レベルとしては中級者〜上級者を対象としています。無料でダウンロード可能です。
TOEIC presents English Upgrader
NHKの英語版『NHK World』から毎日1分程度のニュースをピックアップしたもので、実際にネイティブスピーカーが話す速度のニュースを楽しむことができます。
TOEIC presents English Upgraderと同様、英語のスクリプト、日本語訳、重要単語の解説付きです。
ただ難点は、スピードがネイティブスピーカーの話す速さであること。ゆっくり聴くことができるモードもあるのですが、それだと遅すぎて効果がないです。
よって、上級者を対象とした内容となっています。登録さえすれば無料で聴くことができます。
次に、いよいよ文章を止めながら書き取っていくステップに入ります。
基本的に1文ずつ止めながら進めるのが良いでしょう。ただし、1文が長すぎる場合は途中で区切ってもいいです。
1回聴いて分からないところは繰り返し聴く事が重要です。なぜなら、一度聴いた音を分からないまま放置していると、その音は一生聴き取れるようにならないからです。
試してみると分かりますが、1回聞いただけではよくわからない音も、何度も繰り返し聴くことで、少しずつ聴こえ方が変わっていきます。
例えば、急にある単語が聴こえてきたり、暗号にしか聴こえなかったものが、実はある単語と単語の組み合わせであることがわかったりする場合などがあります。
と言っても、もともとその単語を知らない、あるいは発音のルールを知らなければ100回聴いてもその音を完璧に聴き取ることはできません。
よって、このパートにかける時間としては大体30分ぐらいをオススメしています。30分聴いて分からなければ、それ以上長くしても効果は出にくいですし、英語に嫌気がさしてしまい、日々継続していくことが難しくなってしまう可能性があります。
そのような場合は③の答え合わせのパートに速やかに進みましょう。
次に、答え合わせです。
しかしここでは、ただ単に自分の書き取ったものと正解を比べるのではありません。
知らない単語があれば意味を調べ、全体の意味を理解することが必要になります。
これによって、語彙力の強化とリーディングの強化を同時に行うことができるのです。
最後に、余裕があれば、文章の音読をします。
なぜ音読が必要なのでしょうか?
それは自分が発音できない音は聴き取れるようにならないからです。
リスニングをしている時は全然聴き取れなかったにも関わらず、いざ答えを見てみると自分の知っている単語ばかりだったという経験はないですか?
英語が聴き取れない要因は、単語そのものを知らないケースももちろんありますが、発音ができないために生じるケースも多々あります。
このパートで発音を強化することによって、リスニング力の向上につながるのです。
発音強化のポイントの1つは音声をそのまま真似ること。テンポや感情の入れ方まで真似して発音しましょう。
あとは、発音のルールを知ること。発音のルールを知るとは、例えば、”R” と ”L” の違い、”S” と ”SH” の違いを理解することです。
今だと、YouTubeで検索すればたくさん動画が出てきます。以下にオススメのYouTubeチャンネル等の教材を紹介します。
発音に特化したチャンネル。ただ説明を聞くだけではなく、拡大された舌の動きを確認しながら学べるので、上達スピードが圧倒的に速くなります。
全て英語となっていますが、字幕が付いていますし、話すスピードもそこまで速くないので初級者の方でも理解出来る内容だと思います。
こちらは発音に特化したチャンネルではないですがオススメです。
シアトルで16年間過ごした帰国子女のChikaさんによる説明は、日本語を交えていることもあり非常にわかりやすいです。内容も面白いので英語を楽しみながら学ぶことができます。
書籍であれば、こちらが非常に体系的にまとめられていてわかりやすいです。DVDも付いているため、視覚的に発音を強化できるのもオススメポイントです。
『DVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本』
鷲見由理 ナツメ社
時間がある方には、自分の発音を録音して聴いてみることもオススメしています。
自分では上手く発音出来ていると思っていても、実際に自分の音声を聴いてみるとそうでも無いケースはよくありますので。
より客観的に自分の発音を分析する意味でも、録音は非常に効果が高いのでぜひやってみてください。
いかがだったでしょうか?
ディクテーションのプロセスを読んで、もしかしたら面倒くさいと感じたかもしれません。
しかし、実践すれば必ず効果が出るのが今回紹介したやり方です。
また、ただリスニング力が鍛えられるだけではなく、語彙力、リーディング力、発音も鍛えられるので一石四鳥の効果があります。
まずは週1回など少ない回数からスタートし、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
2日に1回ぐらいのペースで継続していけば、間違いなく効果が出ます。
是非、実践してみてください。